- 180年以上も呑み継がれてきた銘酒は、
100年かけて富士が育てた水から生まれる。 - 全国の浅間大社の総本山である富士宮浅間大社の西側に位置する富士高砂酒造の創業は天保元年(1830年)。実に190年近く前のことです。富士山の豊富な伏流水に恵まれたこの地に、能登杜氏を招いて酒造りを始めて以来、一貫して能登流酒造りを伝承してきました。社名でもあり、代表銘柄でもある「高砂」は、飢きんに見舞われていた天保の世が平穏無事な世の中になるよう祈りを込めて、能の一場面の「高砂」になぞらえて名付けられたものです。
この蔵で造られるお酒は、100年をかけて富士山の地層にろ過された富士の伏流水が超軟水ということもあり、口当たりがやさしくほのかな甘みも感じる酒質です。しかし、醗酵力の弱い超軟水を使った酒造りは、高い技術が求められると同時に、手間も余分にかかります。杜氏を務める小野浩二氏は、伝承されてきた能登杜氏の技法を駆使して、滑らかで味わいの深い美酒を造り続けています。
今回は、富士高砂酒造の今と昔を良く知る顧問の金田さんに、蔵の歴史やお酒造りのこだわりについてお話を聞かせていただきました。